はっとり鍼灸接骨院 西大宮院
-地域の学生スポーツ支援と相談の場-

機種モデル:InBody770

『こころとからだのリハビリテーション』 をスローガンとするはっとりはりきゅう接骨院グループ(以下、はっとりグループ )では、国家資格を有する柔道整復師・鍼灸師によるQOL(生活の質) の向上を目指し、①怪我を解剖医学的に治療すること ②患者様個々の生活スタイルに合わせた機能訓練を行い、患者様のご要望にお応えするメニューを提供すること ③より快適な日常生活を過ごしていただくことを掲げています。

2004年指扇院の開院から始まったはっとりはりきゅう接骨院グループは、さいたま市を中心に12店舗を運営しています。西大宮院は2011年4月開院以来、地域の方々の怪我の回復や身体改善をサポートし、痛みを和らげるためのアプローチを行っています。また、近隣の埼玉栄中学・高校などの部活動に所属する学生を対象に、自己管理能力を高め、大会で自分の力を十分発揮できるようにするためのスポーツトレーナー活動も行っています。地域住民をはじめ、様々な競技のアスリートや学生など老若男女問わず幅広い方々の心と体を西大宮院でサポートしています。

▲ 板橋 康平さん

西大宮院の院長を務める板橋 康平さんは、大学時代にアメリカンフットボールの選手として活動していました。他の選手に比べ体格が大きくなかったこともあり、当時から自分の体を考えた体調管理やトレーニングを行うなど、体のコンディショニングについて強い関心を持っていました。大学卒業後は運動から離れて会社員として働いていた時期もありましたが、スポーツなど好きなことに関わる仕事をしたいという気持ちは消えず、柔道整復師の資格を取得して2014年の夏から西大宮院で勤務することになりました。

板橋さん:
「専門学校の同級生がはっとり鍼灸接骨院で働いていて、院の話を聞きました。将来自分がなりたい柔道整復師像と院の事業や目指すところで重なる部分が多く、ここで働いてみたいという気持ちが強くなりました。西大宮院では2014年の夏頃から働くことになり、勤務を始めてから約8年になります。普段は接骨院の業務として患者様の治療やリハビリ・予防トレーニングなどのトレーニング指導を行っています。社内ではトレーニング・コンディショニングを他の社員に指導する活動も行っています。」

板橋さんがはっとりはりきゅう接骨院グループに入社する前から、InBody770は院に導入されていました。接骨院で医療用の最上位機種InBody770*が導入されることはとても珍しいですが、導入を決めたはっとりはりきゅう接骨院グループの総院長、服部 竜人さんはナショナルトレーニングセンターや病院でも導入されているほど信頼されている機器という点でInBody770を選定しました。患者に自分の体について関心を持ってもらうことにおいて、InBodyの正確な測定結果は重要な材料なので積極的に測定を行っています。

※西大宮院にInBodyが導入された当時(2014年)はInBody770が最上位機種。


部活をサポートする ”スポーツトレーナー活動”

2015年から始まったスポーツトレーナー活動は板橋さんが先駆者ですが、今は西大宮院だけではなく他の院でも行われています。主に各院の近くにある中学校や高校と契約し、部員全体の体調管理や怪我の治療・体調管理を行っています。時には選手の状態について監督やコーチとも話をして、チームを管理する先生が見逃しやすい部分を補強しながら、選手と指導者の両方をサポートしています。InBodyの測定もその一環で、現状の把握はもちろん、負傷後の回復状態の確認や、怪我によって筋肉量が減少した部位を確認してどこを集中的に鍛えるか計画を立てる場面 などで活用されています。

板橋さん:
「元々は大学時代に所属していたアメリカンフットボール部の試合や練習に行って、テーピングや応急措置などのトレーナー業を行っていたのが始まりでした。アメリカンフットボールを通して自分も成長したと感じていたので、その部活に恩返しをしたいところから活動を始めた側面もあります。今は各院でそれぞれ活動をしており、西大宮院ですと埼玉栄高校の柔道部や女子バスケットボール部、埼玉栄中学の柔道部、そして近くの剣道場でもトレーナー活動をしています。」

板橋さん:
「スポーツトレーナー活動はメディカルトレーナーとフィジカルトレーナーの両方に対応しています。メディカルトレーナー活動は現場で発生した怪我の処置と治療はもちろん、怪我をして落ちた筋力や身体能力を元に戻すまでが仕事です。そこから更に身体能力を向上させることがフィジカルトレーニングに該当します。」

接骨院ならではのメディカル的なサポートができることが、はっとりグループのスポーツトレーナー活動の特徴ともいえます。特に、大事な大会を目の前にして怪我をしてしまったとき、どうにかして大会に出場したいと願う選手やご家族の想いに応えられることがこちらのスポーツトレーナー活動の強みでもあります。

板橋さん:
「高校2年生の柔道部選手で、2年生の秋に前十字靭帯断裂を起こした学生がいました。前十字靭帯断裂の場合、手術をしてから完全に回復するまで通常は8~9ヶ月の時間が必要です。しかし、そうなると5月に始まる夏のインターハイ予選に間に合わなくなってしまうため、選手本人やご両親は手術をせずにできるだけの治療を受けることを希望されていました。選手にとっては部活の大会で結果を残すことが大学の進学にも関わってきます。そのため、大会前まで当院で手技療法、物理療法・鍼灸治療での疼痛や浮腫除去のための施術、膝の可動域・筋力改善トレーニング、協調性トレーニング指導等を行い、運動時には状態に合わせたテーピングを行うなど、怪我の不調をカバーしていきました。その後、3月にあった全国大会で優勝候補とされていた高校との団体戦で、ひとりで2名に勝つという結果を残し、大学の進学が無事決まったことがありました。このことで、私たちがやっていることが、一人の人生を良い方向に変えることができると実感できました。」

将来の健康のために負傷の治療は大事で、手術やリハビリを受けることは必要です。しかし、西大宮院では治療を受けさせることだけが選択肢ではなく、患者一人ひとりのライフイベントにも向き合って可能な限りのサポートをしつつ、後々治療に専念できるように体をケアすることが大切と考えています。そして、選手本人やご両親がどれだけ治療の後伸ばしを希望していても、無理をすることで選手の予後が悪くなると思われる場合はそれを止めて、希望とは異なる決定を下すこともあります。患者を治療する側として、選手の未来を守るためです。

板橋さんがサポートした学生の中に、高校2年生でレスリングの大会で優勝候補とされていた選手がいました。この選手はレスリングの全国大会の優勝経験もあって注目されていましたが、試合前に前十字靭帯断裂が起きてしまいました。

板橋さん:
「右脚の前十字靭帯断裂後、手術をして本院に通いながらリハビリやケアを続けていました。怪我と手術の影響か、脚の筋肉量の左右差が手術前に比べて大きくなっていました。また、手術後はしばらく運動ができなかったこともあり、術前に比べ両脚の筋肉量は落ち、部位別細胞外水分比(ECW/TBW)も多少高くなっていたことから、引き締まっていた脚の筋肉状態が少し緩くなっているのも数値としてはっきり表れています。」

筋肉量とECW/TBWの関係についてはトピック「体水分均衡の特徴と重要性」をご覧ください。


▲ 前十字靭帯断裂前


▲ 前十字靭帯断裂後

板橋さん:
「怪我によって通常のトレーニングができなかったときも上半身のトレーニングは継続していたため、両腕の筋肉量はずっと維持できているのも特徴的です。完全に回復して活発に活動している最近のデータを見ると、両脚のECW/TBW もだいぶ落ち着いてきています。今は大学でも選手として活躍しており、パリ五輪を目指しています。このような経験は、スポーツトレーナー活動を通して、その場しのぎの健康でなく選手の将来までをも守ることができたと実感できるので、日々の活動の励みにもなります。 」


▲ リハビリを終えた現在では筋肉の質(ECW/TBW)も回復


体成分を知ることの大切さ

はっとり鍼灸接骨院でInBodyを測定するのは、スポーツトレーナー活動でサポートする学校の学生が4割、一般の患者 が6割ほどです。スポーツトレーナー活動でサポートしている学生の中には毎月1回測定に来ている部活 もあります。一般の患者ではInBody測定は必須ではありませんが、ヒアリングで測定したほうが良いと思われる方を対象に進めており、2週~1ヶ月間隔で定期的な測定を案内しています。

板橋さん:
「測定者によって注目する項目も変えながら説明しています。学生の場合は部位別筋肉量をよく説明しています。競技特性によって左右で差が出ることはありますが、正常な動きをするためには左右が均衡を保った方が良いと話しています。また、怪我の既往歴を聞いて、それに関するアドバイスや管理方法を教えることもあります。高齢者はSMIを確認し、低い場合は院内にあるトレーニング機材を使ったトレーニングを勧めています。説明するときはご本人の日常生活や努力しているところは否定せず、より良い体や動作になるように提案することを心掛けています。」

西大宮院ではデータの管理にクラウドサービスであるLookinBody Web(以下LBWeb)を活用しています。そのため、測定結果はスマートフォンのアプリですぐ確認できるようにしており、スマートフォンを持っていない方には 結果用紙を印刷してデータを共有しています。スポーツトレーナー活動で契約して通院している学生の場合はデータをクラウドで管理してスマートフォンで共有・閲覧するようにしています。もちろん、測定データは監督にもお伝えし、日々の選手管理に役立つ情報として活用できるようにしています。

板橋さん:
「最初にLBWebを導入した理由は、院内のペーパーレス化に合わせて結果用紙をクラウド上で管理しようというところからでした。導入してから全てのデータはLBWeb上で管理しており、必要に応じて結果用紙を印刷してお渡しする形で運用しています。現在はそこまではできていないのですが、利用者にメッセージを送る機能もあるので、定期的に測定の案内をすることも試してみたいと思っています。」

特に学生の場合は、入学してからずっとデータが蓄積されていることも多く、監督や選手自身が体の変化をいつでも確認できるメリットがあります。長期にわたる体成分の変化を確認することで、指導する側も指導される側も自分たちがやっていることの効果や成長を実感できます。また、体成分の変化がチームのトレーニングや管理方法が間違っていなかったという裏付けにもなります。

板橋さん:
「InBodyを利用する方がご自身の体に興味を持ってもらうのが重要だと思っています。接骨院に来られる方は、どこか痛みがあったり、悩みがあったりしていらっしゃることが多いです。そういう方々がまず自分の体に興味を持って、自分の体をより気にかけてもらえるように役立つツールがInBodyだと考えています。また、患者様が痛みの原因や不調を知り、改善のプロセスを見るための再来院のきっかけとしても有効活用しています。」


気軽に訪問できる地域の健康相談室を目指して

接骨院と言えば、”事故や急な筋肉の痛みなどを和らげたり、針灸などの方法から治療するところ” というイメージが強いのではないでしょうか。しかし、板橋さんが目指すのはただ痛みを治療するだけの施設ではありません。

板橋さん:
「自分の体に興味を持ってもらうことはQOLの向上や健康寿命を延ばすことにも繋がりますし、自分の体に興味を持ってもらうことは私たちの使命の一つと考えています。また、体に不調があるときや何か問題があると感じたとき、本院が相談できる身近な場所にもなってほしいです。私たちが不調の改善や身体能力向上の手助けすることで、来院される方々がより高い目標ややりたいことに挑める環境作りに役立てることを願っています。」